2016年8月11日木曜日

72日目:米寿

八十八歳の祝い。
米寿。

年祝いの一つで,その長寿を祝い、米の字を分解すれば八十八となるところからこの称がある。還暦,古希,喜寿に続く賀寿祝いで,室町時代以後,広く行われるようになったものと思われている。
らしい。


私の、父方の祖母、母方の祖父母。
現在生存中。
最年少80歳から最年長93歳。
「日本人の平均寿命通り」と言われればその通り。

本日、誕生日には少し早いけど、母方の祖父の米寿祝に参加。
まだ「生きる」と判定し早めの米寿祝い。

以下。
母方の祖父=おじいちゃん。
母方の祖母=おばあちゃん。
面倒なので、そう書きます。


おじいちゃんは手術の連続。
病院と介護施設の移動を繰り返している。
更に痴呆が入り、初孫である私の事すら覚えていない。
対しておばあちゃんは安定していて、介護施設で元気に生活している。
私のムスメの事もしっかり覚えており、可愛がってくれる。

実はおじいちゃんとおばあちゃんは、別の施設で生活している。
年に1回会うか会わないかの関係。
それでも、行政上、婚姻関係は続いている。

こういう関係を見てみると、年齢を重ねるたびに夫婦関係とはイヤになるのだろうか?
一緒に生活したいが、そうはならないのだろうか?
婚姻関係とはなんなのだろうか?
とか、思っていた。


私達家族を含め、親父とお袋を乗せおばあちゃんを迎えに行く。
一方、お袋の妹事、叔母と従兄弟がおじいちゃんを迎えに行く。
それから、祝いの席に現地集合の計画。

偶然にも私達おばあちゃんグループが席に着いたと同時に、おじいちゃんグループも到着。
お互い遠く離れたところから偶然にも同時到着した事に若干の運命を感じた。

そうして、宴席は始まった。

楽しい時間も束の間。
すぐに2~3時間が過ぎ宴が終わる。
最後に、おじいちゃん、おばあちゃんを隣り合わせで座らせ、後に姉弟が立ち、孫の私夫婦と従兄弟、ひ孫のムスメが並び写真撮影。
いい写真が撮れた。


そして、別れの時。
おばあちゃん。
「じっさん、元気でな~」
「ぉーぅ」

おばあちゃんがおじいちゃんを見送る顔は寂し気。
おじいちゃんは痴呆が入りながらもそれを感じ取った様子で、微笑を浮かべてお互いの車に乗る。

一瞬、恋を見た。

離れ離れになり年に一度会える世界。
七夕。
まさにその一時を現実に感じた一瞬の間。
これが本当の愛なんだ。

涙が出そうな絵柄に呆けてしまった。


リアル、現実は老後に同施設に入れる事に補償がない。
病気や怪我などにより、要介護状態で入れる施設が異なる事が多いから。
それでもお互いを想い続ける事ができる。
だから、忘れない。気遣える。元気でいて欲しいと思える。
紆余曲折、喧嘩も多々あっても、これが本当の夫婦なんだ。
と、思えた米寿祝い。

今日は、完全に魅せられた。
だから、逆に私が、子や産まれてくるであろう孫、ひ孫達に魅せてやりたい。
生きてやる。

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