ジトっと汗が吹き出る部屋の空気。
久しぶりに一番乗りで帰ってきた。
本日から職場復帰。
無理矢理だったけど復帰。
そして、力尽きて帰宅。
先週、まるまる休んだから体力がかなり落ちていた。
(むさ苦しい空気は入れ替えを♪)
と換気の為に、窓を開けていく。
リビングの窓をオープン。
爽やかな空気が吹き込んでくる。
(はぁぁぁぁ♪)
今一番の癒しである、メダカを覗き込もうと近寄っ・・・
(アレ?)
なぜか1匹白くなってる。
近寄って観察。
全員・・・
白い・・・
動いて・・・
いない・・・
まさかと思い、水槽に手を当てる。
熱い。
熱い。
熱いーーーーー!!!
「あ゛----------orz」
リビングの窓に先週から水槽を置き始めた。
理由は2点。
1:水草の光合成を促す為。
2:涼しくなったから、メダカにも外の風景を見せたい為。
確かに先週は涼しかった。
曇りが多かったし、雨も降った。
何より、監視する私が居たから安全だった。
それが、本日。
不幸にも超がつくほどの晴天。
室温は30度にも昇っただろう。
そのぐらいならまだ耐えられた。
真夏日の室温でも耐えていたから。
しかし、置き場が悪かった。
リビングの窓。
ここは、昼から夕方にかけての光量が凄まじい。
想像するに・・・
直射日光で水温はみるみる上昇。
その中を、メダカ達は外へ逃がれられぬまま・・・
泳いでも、泳いでも、泳いでも。
何処へ行こうと、熱い水・・・
水槽から出ように出られない、魚の性。
想像するだけで、最悪の状況だと思われる。
地獄の業火に茹でられて・・・
茹でシラス状態のメダカ達とご対面。
シロメダカも、クロメダカも、姫メダカも認識できないぐらい、全員真っ白。
絶句。
(あぁ・・・)
力尽きた体を、さらに絶望が覆っていく。
そして、無意味な行動に走る。
(朝、動かしたルンバが帰還していない・・・)
ルンバを探し回る。
最近、ルンバの使い方がようやく分かり、愛用している。
けっこう綺麗にしてくれる。
そしてホームにちゃんと帰還している。
それが今日に限って、行方不明。
あちこち(そんなに広い家ではないけど)探してやっと発見。
トイレにいた。
大体予想はついた。
ルンバ自身がトイレを開戸。
トイレを掃除中、いつのまにか自分で閉戸。
閉じ込められ、そのまま息を切らした。
(もう・・・)
ルンバをホームに置く。
その隣で大の字で絶望と見詰め合う私。
「プー・・・」
ルンバが泣いている。
正確には、「ルンバを充電してください」の前に流れる音楽を流そうとするが、充電が間に合わず力尽きる。
「プープー・・・」
ルンバも泣いている。
妻が帰宅。
「メダカが・・・全滅した・・・」
大の字の私の悲鳴。
「プープー、ルン・・・」
空気を読めないルンバの泣き声。
「全滅した時の音楽みたいだね」
妻の痛恨の一撃。
「プープー、ルンバを充電し・・・」
しつこいまでに空気を読めないルンバの声。
「もしかしたら、死んでいったメダカの数だけ鳴るかもよ」
夢に出そうな、身震いする悍ましい二撃目。
シロ、クロ、姫・・・
卵から産まれてきてくれたのに。
私を癒してくれてたのに、何もしてあげられなかった。
ごめんなさい。
当分引きずりそう。
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