2016年9月5日月曜日

97日目:鎮魂歌

「ただいまー」

ジトっと汗が吹き出る部屋の空気。
久しぶりに一番乗りで帰ってきた。

本日から職場復帰。
無理矢理だったけど復帰。

そして、力尽きて帰宅。

先週、まるまる休んだから体力がかなり落ちていた。


(むさ苦しい空気は入れ替えを♪)
と換気の為に、窓を開けていく。

リビングの窓をオープン。

爽やかな空気が吹き込んでくる。

(はぁぁぁぁ♪)

今一番の癒しである、メダカを覗き込もうと近寄っ・・・

(アレ?)

なぜか1匹白くなってる。

近寄って観察。

全員・・・
白い・・・
動いて・・・
いない・・・

まさかと思い、水槽に手を当てる。

熱い。
熱い。
熱いーーーーー!!!

「あ゛----------orz」


リビングの窓に先週から水槽を置き始めた。
理由は2点。

1:水草の光合成を促す為。
2:涼しくなったから、メダカにも外の風景を見せたい為。

確かに先週は涼しかった。
曇りが多かったし、雨も降った。
何より、監視する私が居たから安全だった。

それが、本日。
不幸にも超がつくほどの晴天。

室温は30度にも昇っただろう。
そのぐらいならまだ耐えられた。
真夏日の室温でも耐えていたから。

しかし、置き場が悪かった。
リビングの窓。
ここは、昼から夕方にかけての光量が凄まじい。

想像するに・・・
直射日光で水温はみるみる上昇。
その中を、メダカ達は外へ逃がれられぬまま・・・
泳いでも、泳いでも、泳いでも。
何処へ行こうと、熱い水・・・
水槽から出ように出られない、魚の性。

想像するだけで、最悪の状況だと思われる。
地獄の業火に茹でられて・・・

茹でシラス状態のメダカ達とご対面。
シロメダカも、クロメダカも、姫メダカも認識できないぐらい、全員真っ白。

絶句。

(あぁ・・・)
力尽きた体を、さらに絶望が覆っていく。


そして、無意味な行動に走る。

(朝、動かしたルンバが帰還していない・・・)

ルンバを探し回る。

最近、ルンバの使い方がようやく分かり、愛用している。
けっこう綺麗にしてくれる。
そしてホームにちゃんと帰還している。

それが今日に限って、行方不明。

あちこち(そんなに広い家ではないけど)探してやっと発見。
トイレにいた。

大体予想はついた。
ルンバ自身がトイレを開戸。
トイレを掃除中、いつのまにか自分で閉戸。
閉じ込められ、そのまま息を切らした。

(もう・・・)


ルンバをホームに置く。

その隣で大の字で絶望と見詰め合う私。

「プー・・・」

ルンバが泣いている。

正確には、「ルンバを充電してください」の前に流れる音楽を流そうとするが、充電が間に合わず力尽きる。

「プープー・・・」

ルンバも泣いている。


妻が帰宅。

「メダカが・・・全滅した・・・」
大の字の私の悲鳴。

「プープー、ルン・・・」
空気を読めないルンバの泣き声。

「全滅した時の音楽みたいだね」
妻の痛恨の一撃。

「プープー、ルンバを充電し・・・」
しつこいまでに空気を読めないルンバの声。

「もしかしたら、死んでいったメダカの数だけ鳴るかもよ」
夢に出そうな、身震いする悍ましい二撃目。


シロ、クロ、姫・・・
卵から産まれてきてくれたのに。
私を癒してくれてたのに、何もしてあげられなかった。
ごめんなさい。

当分引きずりそう。

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