どうして、祖父母というのは孫にはアマ甘なのだろうか。
昨夜の話。
お袋はムスメには聞こえないように、携帯を妻に見せて、
「どう思う?」
聞こえないと気になる。
人の性。
でも、言葉では聞けない話なんだろう。
「その話。ジェスチャーして」
ということで、ジェスチャーしてもらった。
妻は、指を示し、指に指で輪っかを通す。
その輪っかを箱に入れる仕草を繰り返す。
「それ、持ってるから口に出していいんじゃない?ジュエリーボックスでしょ?ここに確かあったよ。マジもんが・・・あれ、ない・・・」
あるべき所に、ムスメのジュエリーボックスがない。
指輪、ネックレス等、大事な時にしか装備しないような本物達を入れたボックスが消えていた。
そこからは、家族総出で捜索が始まった。
探し物は苦手だ。
取り敢えず、ムスメが勝手に持っていきそうな、隠しそうな所から捜索するが見つからない。
ソファーからテレビ台の上を眺める妻。
(いや、そこはムスメには届かないでしょう)
「ガツガシャーン!!!!!」
なんだ?
振り返るとお茶のコップは散乱し、手がケーキまみれになった妻が亀の様にひっくり返っていた。
腰を強打したらしく、腰を抑えながら苦笑。
「どした?」
「ソファーから降りたら、椅子があって、椅子がクルってなって、こけた」
椅子に乗る時って危ないから、真ん中に足を下ろすのがセオリーじゃない。
椅子って端っこに足を乗せるとバランスが悪くなってひっくり返るじゃない。
まさにあれを自分でしたらしい。
「うそん」
「見えてなかったんだよ!」
「50代みたいな」
「うるせー」
罵声と怒号の中、捜索は続いた。
小さい家。
宝箱たった1個を見つける事がこんなにも危険を伴い困難だとは、予想していなかった。
「もしかしたら捨てたかなぁ」
片付けが上手くできない時は、容赦なく捨てる。
捨てさせる。
我が家ルールだ。
有り得る。
私、かなり捨てる。
それか園に持っていく。
もしかしたら・・・
ムスメと親父は二階を捜索直後から笑い声が聞こえる。
ムスメは目的を忘れ、玩具で遊ぶ事に走った。
それに便乗する親父。
ダメダメな捜索隊員二人はさて置き。
ついに小さな奇跡が起きた。
「あったーーーーーー!!!!」
それは二階から、妻の声。
「どこ?どこに?」
「結婚式に行った時の洋服の所」
「は?それは分からんって。結婚式の洋服の管理なんてしないし」
「いやいや、ルンバを使うために奥に押し込んだんでしょ」
「何がどれが分からないって。結婚式の洋服なんて片付けないし。ま、どんまい」
互いに擦り合う・・・
ムスメのせいだと思い込み、捜索を開始した。
結果自分たちのミス。
約半年。
ジュエリーボックスは忘れられたように大事に保管されていた。
実際に忘れていた。
勿論、目的を忘れていたムスメは満面の笑みで喜ぶ。
あんたは悪くなかった。
ごめんなさい。
解散後、妻あてにメールが。
「ピンクと紫があるけど、どっちがいい?」
お袋から。
ムスメにもおそろで揃えるようだ。
やっぱり甘い。
私はそんなバブリーな時代を歩んでいないよ。
取り敢えず、今のうちに甘えとこう。
「ピンクじゃね?」
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