昨日。
洗面所にて、いつものように顔を洗う。
「ふーーーーーん」
鼻をかんだ。
いつもの通り。
「ぶしゃーーーー!!!」
勢いよく鮮血が飛び散った。
いつも通りではない。
上を向いても下を向いても、深紅の血が止まらない。
仕方がないから、あまりやりたくないけれど、ティッシュを詰めて止血。
自然に止めた方がいいらしいんだけど、止まらなかった。
だからティッシュ。
そんなに鼻血とかでない。
ってか、年に1度出るか出ないかぐらい、鼻の血管は太い。はず。
そして、出たら止まらない。
血小板が不足してるんだろうか。
出血したら止まらない。
こういう病気って確かあったはず。
なんとかって。
「血が薄い」、「血が軽い」ってよく聞く言葉だと思うけど、血は重い方。
比重があるって感じ。
なんの比重かは分からないけど、とにかく血は重い。
「軽い」って言われて献血を断られたことがないから。
病気でもないはず。
血の検査ってこの前、「入院せぇ」って言われた時にしたから多分大丈夫。
だったら、免疫低下かなぁ。
免疫が弱くなったら出るタイプ。
思いつく節はある。
確かに弱くなってる。
疲れが抜け切れないんだよ。
元々ガッチガチの前線ファイターやモンクではなくて、演算師や僧侶系の後方支援役だから、今、前線に出てると、たまらなく疲れる。
仕事を選んだのはお前でしょ。
うん、そうなんだけど、仕方がないからさ。
でさ。
こういうときに限って、お出かけの予定とかあったりする。
ティッシュで取り敢えず止血して、出ない事を確認して人ごみに突入してみた。
普通に買い物なんだけど、クリ○ラの街頭営業でバルーンを作ってたりするんだよ。
こういうのって、この前ムスメが風船を貰えなくて不遇だなぁって思ってたから、遠慮せずに風船を貰いに行くんだよ。頑張って。
クリ○ラの話とかどうでも良くて、
「いやぁ~、サイズ的にキッチンに入らないなぁ」
とか言って誤魔化して、早く風船でキティーちゃんを作ってくれって願うの。
こういう時に限って出ちゃうんだよ。
鼻血が。
朝の続きで。
ツーーーー。
って、鼻の奥で蔦ってくるのを感じるの。
出さまいと、
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!
吸うの。
必死で。
クリ○ラさんが風船キティーちゃんを作ってる所を、ムスメがガン見してて、そういうムスメを見ているお父さんが鼻血を出してたら、すっげーやばくない?
私は変態だと思う。
「やばいよ、こいつ」って思われたくなくて、必死で、
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!
する。
クリ○ラさん、早く終わらせてって、
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!
する。
「こちら、普通の水なんですが、これをろ過して水やお湯を作るんですね。この塩素の臭いを嗅いでみませんか?」
いや、私、
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!
しています。
「あぁ、鼻が利かないんですね」
鼻が利かないんじゃなくて・・・
ごめん、話をしている余裕もないぐらい、スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!しとかないと、出る。
そこら辺の酸素を吸い尽くしているんじゃないかってぐらいスーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!待ちしてやっとできた。
風船キティーちゃん。
完成度は・・・誰これ?
キティちゃんになりきれない、ピンクの白くまみたいな異世界動物。
こんなものの為にって思ったけど、ムスメは嬉しそうだからスーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!しておく。
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!して、血を飲み込み続けて止血した。
これが、本当の止血だ。
と思ってる。
嗅覚は麻痺するけど、血は止まる。
血さえ止まれば、変態にはならない。
また、今朝出た。
お馴染みになるかもしれない洗面所で。
辺りは鮮血帝が治めていただろう、内乱状態。
鼻血という帝王の非法は止められない。
とめどなく出続ける。
ティッシュという英雄を探す時間も勿体無い。
スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!しながら着替えて、車を運転した。
そうして、また止血完了。
暴君の抑え方。
取り敢えず、スーーー!!!スーーー!!!スーーー!!!
血の重力と己の吸引力の持久戦。
と、思ってる。
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