「早くいこうよ~。もうすぐ時間だよ」
「いや、まだ早いって。バス帰ってきてないでしょ」
妻は朝からソワソワしている。
昨夜。
「寂しいね~」
「だね」
「○○君ちのお母さんから『煩いのがいなくて寂しいね』ってLINEが来たよさ」
「あそこ、2番目いたでしょ?それでも寂しいのかぁ・・・?」
「男の子だったらお母さんが、女の子だったらお父さんが寂しいんだよ」
「異性だからかぁ」
「ほらkootも寂しいでしょ」
「にしてもチョコ食べきれないわ」
「でたでた、強がりが」
「ふん」
一夜。
新海監督の『秒速5メートル』を観る。
今の「君の名は」の新海監督の代表作。
名作と言えば、名作。
こういう劇場版のリアルっぽい、綺麗なアニメをムスメがあまり見たがらない。
だからこそ、普段出来ない事を、見れないものを観た。
甘酸っぱさから、女々しさに感想が変化していった。
うん~。
複雑な感情の渦。
集中して見れたからだろうか。
妙に重かった。
「お泊りどうだった?」
「楽しかったよ」
口数が少ない。
昼なのに眠そうなムスメ。
昨夜は一番に寝たらしい。
体力ないもんな。
それでも、まだ眠いらしい。
「ほら、これ。どう?」
眠気を抑えて見せてくれたのは自作のキーホルダー。
描かれていた物は、「殺せんせー」。
何故にお泊り保育で「殺せんせー」を描くんだ・・・
っていう疑問は浮いてくるが、クオリティが高いすぎる。
画のレベルは親を超えている。
「すげーな、マジで」
「上手すぎじゃね」
褒めようとムスメの顔をよーく見てみる。
お?
少し顔変わったかな。
一夜でこうもかわるもんか・・・
あぁ、違うか。
目の下にクマが出来てるわ・・・
最初に寝ていた割にはしっかり眠れてなかったんだね。
クマを作って帰ってくるなんて、ちょっとは大人になったかな。
完
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