2016年12月25日日曜日

208日目:ムスメの号泣

目の前の少女の涙収まる事を知らない。
流れる涙が引き付かせながら口を開く。

「ま だ あそ び た かっ た」
「もうクリスマスは終わりなんだよ」
「ま だ 泊 ま り たっかた」
「殺センセーみたいにマッハで動ければできるんだけど、ほら、人間ってそんなに早く動けないでしょ」
「・・・」

飛び込んできた。
受け止める事しかできない。

「あーーーーーー」
再度号泣が始まった。


2016年12月23日
ハウステンボスを満喫した。
9時から22時過ぎまでアラシックスズを引き吊り回し、遊び呆けた。

歩いた、自転車を漕いだ、20m上から落下もした。
観覧車に乗って光の迷路を発見し、実際の迷路で迷子にもなる。

光に溢れる幻想的な夜街をひたすらに遊び倒した。

2016年12月24日
島原、雲仙のヘアピン達を「僕にインビテーション」、「青春サツバツ論」のBGMで疾走した。

「海の隣が山ってすっげー」
「前がコンパクトカー達で、とあるCMみたい」
「せーいしゅーんさつばつろーん!!!」

山道を抜けた瞬間、突然眼を埋め尽くした景色が宿泊先だった。
やたらでかい。
門構えからして豪華。

大浴場の中にある一人用の贅沢な岩風呂から、ライトアップされた広葉樹と高層圏の筋雲に見とれながら、現を抜かす。

深夜手前。
妻とムスメが寝た後、私はチャットに必死だった。
ギルドチャットが炎上していた。
食べた物を吐きそうになる手前。内容は流石に書けない。マスターもこの日記を読んでいるだろうし。
多分一生忘れられない、腹筋崩壊する笑い話がチャットで流れる。
痛々しいクリスマスイブ。
そして、そのまま迎えたクリスマス。

悦楽を過ごした。


2016年12月25日

遊び疲れもピークを迎えるも、早朝からテンションマックスなムスメ。
サンタクロースが来たらしい。
ハッピークリスマス。
プレゼントは秘密にしておこう。

島原から熊本へフェリーで渡航中、鴎にカッパ海老煎で餌やり。
初めて間近で鴎を見た。
ハードボイルドな映画の鴎の鳴き声のイメージが崩壊するほど、愛らしい瞳。
空中に投げた海老煎をキャッチする腕前は、まるで空挺だった。

鴎達を後に、実家に戻ってきた。


夜ご飯を共に済ませ、帰る間際。

泣き出した。

「さーびーしーいー」

それもそうだと思う。

濃い2泊3日の小旅行。
それでも、ここに書ききれない事がたくさん有りすぎた。
SNSとかいじる暇も無い、楽しい時間だけが過ぎて行った。

これに悲しみを覚えたんだろう。

「また遊びに行こうね」
お袋がムスメを抱きながら伝える。

別れを告げ、家に戻ってきても泣き止まず、過呼吸まで行くかと思った矢先。
自分で呼吸を整えだした。
最終的には涙を止め、

「いつ遊びに行ける?」

真顔で聞いてきた。

下手な嘘は吐いたらいけない場面。
しっかり予定を思い出し、「パパは行けないが」と前置きをして30日と約束する。

笑顔が戻り、いつもなムスメに戻った。
ムスメは自制し、また一つ大人に変身した瞬間だった。


この2泊3日で、また成長をしたムスメ。
明日からは「ムスメ」ではなく「娘」と書こう。
それぐらい情緒、精神、外見含め、「良い女」になってきた。

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