雨の隙間を縫った虹を見かけた。
(あの虹の端には確か」・・・)
物理科だった私。
虹は光の屈折で出来ている。
カップルが寄り添う夕日も光の屈折。
虹色に輝く玉虫や、パワーストーンであったりするサンキャッチャーの類。
落ちる夕日を眺めては、大気中の埃や水分の量が大体分かったり。
飛行機雲を眺めては、今から、明日の天気が分かったり。
こういう類の『光』の原理、『波』の原理とかを知ってしまうと、『物理』を学ぶということは、ロマンの欠片さえも失う事だと思う。
「あのさぁ、虹の根元って知ってる?」
「根元とか無いでしょ」
「いや、あるんだって」
「なにが?」
「虹の端、両端に、はげたオッサンが虹色のビーム出し合って交信してるって。知らんかったん?」
「マジでか?」
「当たり前の話」
「覚えとく!」
ふとくだらない話を思い出した。
『狐の嫁入り』は剥げたオッサンが交信している真っ最中。
邪魔してはならない。
あの、虹の端の根元。
あそこには何かを伝えたい、夢を魅せてくれるオッサンがいる。
このことを、ムスメに話した。
「マジで?!じゃぁ剥げたオッサンに会いに行ってみよう♪」
辿り着くはずも無い旅が始まりそうだ・・・
それもまた楽しいわ。
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