2016年12月14日水曜日

197日目:銀杏

真昼でも太陽の南中は低く、ビル街の陰りは路地を暗く覆っている。
反して、銀杏の山吹色の葉は散り積もり、時折の北風で陽の光を浴びて右往左往舞っている。

缶コーヒー片手にハンドルを持ちながら、乾いた灰色の世界で揺れる鮮やかな色に見とれてしまった。


私もこんな風に躍らせれているのだろうか。
自身、それほど煌びやかではないのは分かっている。でも、せめてを思うのは自由でありたい。


道路の端で留まろうにも風に煽られ、流されていく。
2枚が1枚引き裂かれそうになった、または1枚が2枚に重なった葉は何処に行くのだろう。
ずっとそこにいられず、最終的には人為的に回収、それとも、川や海、山へ没するのだろうか。
色彩と逆の一面を持つ銀杏の葉に、なんとなくの侘しさを感じてしまった。


車の窓を開け、寒風を車内に取り込み気付けする。

うっし。
走るか。

青信号と共に山吹を散らして走る。
私も走り続けるしか行き場がないのかもしれない。

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