2017年10月20日金曜日

505日目:姉きゅんな俺にも妹を!

愛着あるもん。
社名がゴシック体の古びた白衣。

いつ、誰がその白衣を、どうやって使って様が、十数年前の型の白衣が好き。

そういう愛着物を見つけた時だった。

(ネームが読めないから、名前を書いてしまえ)

確かに、自分にはその時の持ち主のネームを読めなかった。
だから、名前を書いて私物化した。

子供の様な話で、先に取ったモン勝ち。
にした。


その白衣を着てみると、袖は七部袖程。
もってのほか、ボタンは男性用と真逆で、右前の位置。

改めて思った。
(別にサイズとかいいや)

でも、サイズが問題ではなかった。
ちょっとだけ気になる。
本当の持ち主は誰だ。

近くに居た人に首を傾けて、タグを見せて聞いてみる。
「これさ、ネーム読める?」
「うん~。◎◎さんの。かなぁ」
「は、マジでですか…」
半ば嬉し気味で答えてしまった。
「うん。そんな感じの名前だよ」
「マジか~。それはえらいこっちゃね」
(高いヒールで…)
「後で懺悔した方がいいよ」
「だね~」
(踏まれるたい!)

間違いなく女性用の白衣に名前を書いてしまった俺だった。


十数年前。
新卒で入社した俺を叱咤叱咤叱咤たまに激励、浴びるほど酒を酌み交わした家族。
のような。
激励は週一の花丸金曜日。
飲みまくった十数年前。

ある意味で「親父」。
ある意味で「姉」。
ある意味で「兄」。
ある意味で…

それほど、濃い仲の一人。

「姉」。

通称「姉ちゃん」。

先輩にも関らず、今の今まで変わらずに「姉ちゃん」と呼んでいて、「姉ちゃん」も俺の事を「弟」と呼んでくれる。
そこ、名前じゃないんだ。
とか、思うでしょ。
長い付き合いだと「弟」と呼ばれる事が普通で、名前で呼ばれたことが無い。
と思う。


まさかの「姉ちゃん」の白衣をーーーゲーーーーーッット!!!
くんかくんか。
くんかくんか。
香りって…
これって会社の洗剤じゃん!!!

いやいや、それより奪取した事への謝罪からだろう。

ちょうどいい所に姐ちゃんが。
噂をすればなんとやら。って本当らしい。

「ごめん、これってもしかして」
首を傾げタグを見せながら、
「姉ちゃんの?」



「あ~、確かに私のだね~。でも、その下に『弟』の名前書いてんじゃん!」
「あ、うん。気付かずに私物化してしまった~。ごめんなさい」

「しゃーねーなぁ。『弟』のでいいぞ」
俺の頭をわしゃわしゃしながら、華奢が威勢よく笑ってくれた。


うっ。
男性が女性に頭をわしゃわしゃとか、胸きゅんキュンするじゃねーか!
職場で女性に頭をわしゃわしゃされたことねーぞ!
これが俗に言う壁ドンの逆パターンかよ!

こういうスキル、俺も欲しいわ!
こういう、兄になりたいわ!
んで、
「お兄ちゃん♡」
って言われたいわwww

0 件のコメント:

コメントを投稿