2017年10月17日火曜日

502日目:白白昼夢

「めまいするの?」
「えぇ、はい」
「時々?」
「時々です」
「動悸も?」
「ですね」

ドクターは腕組みしながら困ったように言ってくれた。
「病院いこうか」
「あ、はい、ちゃんと精神科いってますよ」
はっきり即答した。
「あっそ」
ドクターの声が聞こえた。

そんなん行ってるに決まってんじゃーーーんwww

眩暈、動悸、息切れ、頭痛etc。
「自覚症状なし」から、「たまに」、「時々」、「いつも」の4段階を自分で記入してドクターに見せる。
俺の場合は季節の病気という物で、大体が「時々」。

メンヘラー、たまに厨二病なのが俺です。


病院に行った先日、眠れない、眠りが浅いという事で薬を1錠追加された。
それに伴って今飲んでいる薬は、就寝時に5錠または頭痛が起きると6錠にまでなる。

もう、ボロクソのじじぃレベル。
さすがに笑ってくれ。

「先生、これ、どうやったら薬減らせるんですか???」
薬が増えた理由はシンプル。
脱薬に挑戦してみた。
そしたら、見事なリバウンド。

俺、何もしないでリバウンド王になっちゃったよ。

「うん~、高血圧の人が毎日薬を飲むのと同じって考えたら、大した問題じゃないでしょ」
リバウンド王の妄想を吹っ飛ばす勢いで、別世界から冷静に主治医が伝えてくれた。

ふ~~~ん。
要は、上手く付き合えと。
なんとも、難しい話かな。


そんな感じで昨夜から更なる薬漬けで起床。

世界が違う。
俺が見てる。
世界が俺を見てる。
部屋が回っている。
俺が回っている。
いや、浮いてる。
足に地がついてない。

ふらふわしながら階段の手すりを伝って、状況を妻に言う。

「こりゃぁ、運転できん」
「なんで?」
半笑いで問われた。
「ふわふわって言ったじゃん。眠気が抜けない」
「ちょっと遅れる?」
「遅れる。か、休むか」
「休むはなしで。目ぇ付けられてるから」

目ぇ付けられてる。
俺のような病気持ちに対して、企業としてはセンシティブに柔軟に対応。
のはずが、監視の様な眼差しで、というか監視下に置かれている。
そしたら何故採用したのかよ?とか思ってしまうが、『働かざる者食うべからず』。
復職しなければならない。かなと思った。
クソニートでも紐でも、生きていればいいかなと思う節はあるけど。

「目ぇつけられてたっけ。ほんなら後1時間は寝させて」
「分かった」

1時間後。
症状はよくならず、ふらふわしながら準備開始。
視界が狭いのかな。
脳が働いてないのかな。
あくびが止まらないかな。
階段の壁、脱衣所の壁、玄関で腕足を打ちながら、気持ちダッシュで会社へ。
運転してたときの記憶はなく、着いたら即行で健康診断に向かった。


そして、いつのまにかドクターとの会話。
ここまでなんかあったような気もしたけど、ボーっとしすぎて記憶が無い。

あぁ、そう。
「精神科いってますよ」
から、胸部X線、そしてバリウムへ。

胃検査でバリ(バリウムの略)を飲む企業は大体2つに分かれる。
35歳以上から始めるところと、40歳以上から始めるところ。
前職は40歳以上からだったのでバリ回避。
その前も。

回避し続けたのに、アラフォーにして初めてのバリ体験をする事になった。
バリの噂は聞いていた。

味が粘土とか。
げっぷ禁止とか。
げっぷしたら2倍飲まされるとか。
後、バナナ味のがあったりとか。

造影剤みたいなもんだからそんなもんでしょ。
とか思いながら、

いざ実食!!

駄菓子やのパチパチ。
子供がすきそうなパチパチする甘い味の発泡剤を口に含んでゆっくりバリを飲み干す。

狂ってんのかな。
全然げっぷ感が押し寄せてこない。
ってか、パチパチがバリの無味と粘性を程よく味付け、食感を与えてくれる。
逆に、「パチパチをおかわり」したかった。

これのどこが苦しいの?

とか思いながら、回されて来ました。

「もっと右、右、あー、いきすぎ、左、ちがぅ、あとチョイ右」
「上半身はベッドにつけたまま、左のお尻を突き上げて、もっとー」
「下半身そのまま付けといて、上半身を左に回転、もっと、もっと、あー、左手を頭においてみよーか」

ナニこれ?
エロ本の撮影ですか?
逆さジョジョ立ちとか?
X線技師のコナレた声掛けが、一層撮られている感を増させる。

バリを飲むより、色んな厭らしいポーズを取らされた事に羞恥を覚えた。


案の定。
下剤のおかげで更に白昼夢の中へ。
午後は言うもがな、早退しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿