2017年7月19日水曜日

413日目:取り敢えず、べに

むかし、むかし。
かなりの山奥に、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは、たんぼへ草刈に。
おばあさんは、トイレへクソ汲みに。

イカ略。


そんな所だから。
そういう所だから。

蚊の量がハンパ無い!

蚊!
か!
KA!

あ~。よく食われたよ。
あ、噛まれたよ。
ん?
刺されたよ。

蚊に刺されたよ!
が正解か。

かゆかった?
かいかった?
痒かった。


毎度、じーちゃんが出してくれるのは…

『白紅』

「はん、べんをそけ!こいっ、ぬっときゃスースーすっでいっきなおっが」

訳。
「お前、白紅を刺された所に!これを塗っておけば、スースーするからすぐ治る」

おぅ。
方言の方がなんとなく楽な気がする。
方言って、すげ…置いといて。

取り敢えず、紅を塗ったさ。
白紅を。
痒い所、噛まれた直前の針の後が残るところ、掻き過ぎて血が出てるところ。
寝苦しい痒さには勝てないから塗り捲ったよ。

スースー。
ずーズー。
あぁ。
あぅ。
あ゛------!

かなり痛い!
白紅を塗ったところが痛い!



妻。
何故か、背中を蚊に刺されていた。
到底手が届かない。

「蚊にさされてるー。かゆみばいばいぬってー」

何がどうなって蚊に刺されたかは別として、ムヒみたいな「かゆみバイバイ」もなくなってたし、ウナクールを塗ってもあまり面白くなさそうだから、『蚊に刺されたら白紅』のじーちゃんの言葉を思い出して白紅を丁寧に塗りこんでみた。

偶然、家に白紅があった。なんでだろ…

これが、大人でも良いリアクションしてくれる。

「あ゛------ーーーーーーー!」
「効くやろ?」
「効く!けど、これ…どこにも『虫刺され』、『痒み止め』って書いて無いじゃん!『捻挫』、「打ち身』、『筋肉痛』とかの痛みしか書いて無いし!」
「あぁ?蚊に刺されたら白紅。って、昔からの話だよ」
「うそーん」

うん。
妻は悶えた。
確かにスースーせんな。
痛いわな…
今年は噛まれんからいいや。


とか思ってたら蚊に噛まれた。
いや。
蚊に刺された。

ん~。
痒い。

ん~。
基礎代謝が上がって私も噛まれるのか。

ん~。
紅塗ろう。


久しぶりの白紅~♪(痛いのは好きではありません)
噛まれた所にダイレクト、シュッダーーーー!

冷やっこい汁が、ジッと痒みを刺激。
痒みから刺激に変化。
次第に刺激から痛みへと痛覚を伝わって、やがて拡張されて激痛へ。

「ぬぅぉっ゛--------!」

この痛みは燃える。
萌える。萌えていた。

「くぅぁぁぁぁーーーーーーーーー!」

自分にも限界の先があったらしく、一汗かいて落ち着いた。

「やっぱ、いってーなぁ」
「でしょ~」
「あ…まじだ」
「言わんこっちゃ無い」

初めてマジマジと白紅の本体、効能の欄を見た。

唖然。

『虫刺され』、『痒み止め』の記載無し。
あるのは、『捻挫』、「打ち身』、『筋肉痛』類の痛み。


お。
おぅ。
じーーーーーーーーちゃーーーーーーん!

白紅は、田んぼで逝かれた腰用だったのね。

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