むかし、むかし。
かなりの山奥に、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは、たんぼへ草刈に。
おばあさんは、トイレへクソ汲みに。
イカ略。
そんな所だから。
そういう所だから。
蚊の量がハンパ無い!
蚊!
か!
KA!
あ~。よく食われたよ。
あ、噛まれたよ。
ん?
刺されたよ。
蚊に刺されたよ!
が正解か。
かゆかった?
かいかった?
痒かった。
毎度、じーちゃんが出してくれるのは…
『白紅』
「はん、べんをそけ!こいっ、ぬっときゃスースーすっでいっきなおっが」
訳。
「お前、白紅を刺された所に!これを塗っておけば、スースーするからすぐ治る」
おぅ。
方言の方がなんとなく楽な気がする。
方言って、すげ…置いといて。
取り敢えず、紅を塗ったさ。
白紅を。
痒い所、噛まれた直前の針の後が残るところ、掻き過ぎて血が出てるところ。
寝苦しい痒さには勝てないから塗り捲ったよ。
スースー。
ずーズー。
あぁ。
あぅ。
あ゛------!
かなり痛い!
白紅を塗ったところが痛い!
妻。
何故か、背中を蚊に刺されていた。
到底手が届かない。
「蚊にさされてるー。かゆみばいばいぬってー」
何がどうなって蚊に刺されたかは別として、ムヒみたいな「かゆみバイバイ」もなくなってたし、ウナクールを塗ってもあまり面白くなさそうだから、『蚊に刺されたら白紅』のじーちゃんの言葉を思い出して白紅を丁寧に塗りこんでみた。
偶然、家に白紅があった。なんでだろ…
これが、大人でも良いリアクションしてくれる。
「あ゛------ーーーーーーー!」
「効くやろ?」
「効く!けど、これ…どこにも『虫刺され』、『痒み止め』って書いて無いじゃん!『捻挫』、「打ち身』、『筋肉痛』とかの痛みしか書いて無いし!」
「あぁ?蚊に刺されたら白紅。って、昔からの話だよ」
「うそーん」
うん。
妻は悶えた。
確かにスースーせんな。
痛いわな…
今年は噛まれんからいいや。
とか思ってたら蚊に噛まれた。
いや。
蚊に刺された。
ん~。
痒い。
ん~。
基礎代謝が上がって私も噛まれるのか。
ん~。
紅塗ろう。
久しぶりの白紅~♪(痛いのは好きではありません)
噛まれた所にダイレクト、シュッダーーーー!
冷やっこい汁が、ジッと痒みを刺激。
痒みから刺激に変化。
次第に刺激から痛みへと痛覚を伝わって、やがて拡張されて激痛へ。
「ぬぅぉっ゛--------!」
この痛みは燃える。
萌える。萌えていた。
「くぅぁぁぁぁーーーーーーーーー!」
自分にも限界の先があったらしく、一汗かいて落ち着いた。
「やっぱ、いってーなぁ」
「でしょ~」
「あ…まじだ」
「言わんこっちゃ無い」
初めてマジマジと白紅の本体、効能の欄を見た。
唖然。
『虫刺され』、『痒み止め』の記載無し。
あるのは、『捻挫』、「打ち身』、『筋肉痛』類の痛み。
お。
おぅ。
じーーーーーーーーちゃーーーーーーん!
白紅は、田んぼで逝かれた腰用だったのね。
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