流石にツッコこまざるを得ない状況に、独り落胆して呟いた。
最近、爆食のおかげで米が無い。
正確に言うと『玄米』ならある。
寒の戻りなのか、春の訪れなのか分からない強風の中、黒のスキニーパンツ、紺のダウンを羽織って、1キロ先程にある精米所へ向かった。
肩からは重さ約10キロの米。
米袋には「伊佐米」と大きく書かれており、若干でもいいからオシャレに担ごうと、無理矢理に肩から提げてみた。
しかし、少なからず恥ずかしい姿だった。
風が強い…
くしゃみをしては、
(花粉症かよ)
(んが。口に葉っぱが!)
(あ~肩が千切れる)
内心ヤケクソで歩いた。
歩いて15分。
精米所へ到着。
中は冷暗所という具合に太陽の光が入っていない。
そそくさ精米作業に移りたいところが、肩から提げていたせいで、米袋の紐の結び目が硬くなっていてなかなか開けられない。
もぞもぞしていると、ここの主あるしき人に見られていた。
(白昼のアラフォーがそんなに珍しいか?)
なんとなくの辱め視線を浴びながらようやく御開帳に至った。
若干の暗闇でもはっきり見えた。
「おふ…白米やん…」
中身は『玄米』ではなく、堂々とした『白米』だった。
3度程、米を手で掬い、『玄米』ではなく『白米』であることを確認し、そのまま何も見なかったように、再度紐を結ぶ。
「お邪魔しました~」
主に乾いた挨拶をして精米所を出た。
向かい風のおかげで、無言の徒歩行軍。
肩の痛み?
それより…
こんな羞恥プレーあるんだな。
そして…
また紐が硬い!
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