2017年2月20日月曜日

264日目:娘と都市伝説 ~一~

口承として残存する数々の都市伝説。

娘が都市伝説に興味を持ち始めたので、それに纏わる話を綴る。


今回の話は有名な「トイレの花子さん」。
諸説あるが大概の内容は以下。

『学校の怪談の一種で、学校のトイレに現れるとされるお化けにまつわる怪奇譚。
「誰もいないはずの学校のトイレで、ある方法で呼びかけると『花子さん』から返事が返ってくる」という。赤い吊りスカートをはいた、おかっぱ頭の女の子の姿が最も有名であったり、白いワイシャツを着ているともいう。それ以外の噂の詳細は、地方により異なる』

そういう話だった記憶だが…


「ねぇ、パパ」
「ん?」
「トイレの花子さんって知ってる?」
眼鏡がないとは言え、娘の声のトーンからなにかしらの畏怖に対する不安が伝わってきた。
親子で風呂に入るのが日課となり、今夜は「トイレの花子」さんの話題ですか…

「あぁ、知ってるよ。そういや、学校とかの七不思議であったよさ」
「やっぱり…」
何を思いついたのか、断言したように発言する6歳児。

「花子さんでなんかあった?」
「いや、花子さんって、ハナクソ投げたんだよね?」
「は…?い…?」
余りにも突拍子すぎる発言で意味が分からないが聞く価値はあるかもしれない。
「ハナクソ?どこに投げたの?」
ツッコミたい衝動を抑えて聞いてみる事にする。
「トイレの中に」
「便器の中に?って事?」
「そう」

(んー、話の流れが読めない・・・一端整理しよう)

「トイレの中に『花子さん』って人が自分のハナクソを投げました。で、幽霊になったとか?って事?」
「そんな感じで、花子さんがハナクソを投げたから、トイレの神様が怒って、花子さんをトイレに流しちゃったんだよ」
「おーい、ちょっと待てー!女の子がトイレで独りで?鼻をほじって、ハナクソをトイレにポイしましたー。トイレの神様的な、神様が怒って、花子さんという『女の子』をあのちっちゃい穴から流しちゃいましたー。って事でしょ。それさ、自爆じゃね?ってか、女の子がハナクソほじってる時点でダウトでしょ」
取り敢えず、言いたい事を早口で捲くし立てた。

「ってかさぁ、女の子が鼻クソほじってんのないよねー」
爆笑しながら、自分の鼻クソ説に納得し始めた娘の笑顔が語る。
「ねーなー。しかも何で幽霊化してんの?」
「多分ね、人のせいにしたんだよ。友達とか」
自分で言って爆笑し始めた。
「ちょい、待てー!女の子がトイレで鼻クソをトイレにポイしましたー。トイレの神様が怒って、花子さんを流しちゃいましたー。その逆恨みで友達的な?人を恨んで幽霊になったって事?それ、かなり迷惑じゃね?もう、そんなんで幽霊になんなよー」
取り敢えず、言いたい事を早口で。

「しかもさ、トイレの神様が花子さんをトイレに流した事とか、友達の事も忘れて幽霊になったんだよ」
「それっ、行き過ぎー!トイレに流された事も忘れて、逆恨みさえも忘れて、花子さんって名前だけ覚えてて幽霊になってんの?!花子さんは何の為に幽霊になったんだー????」
「『鼻クソをほじったらいけません』って言う為に幽霊になったんだよ」
「女の子だよね?男の子じゃないよね?」
「花子さんだから、女の子だよ。流されたんだよ」
自信満々な仮説に満足した風な、気付けば娘の引き笑いが風呂で蔓延していた。


「ごめん、熱いから先に上がるわ」
真面目に話し合うと頭は沸騰していた。湯船から先に上がった。


その仮説は薄いわ~。
アニメの見すぎか???
そんな話が、都市伝説として成り立つ訳がない。

が。
そういう話があったら面白い、新しいとも思った。

都市伝説。
これは、今から始まる娘とのシリーズに加えてみよう。

『娘と都市伝説』シリーズの開幕です。

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